摘み草料理



ギャラリー夏至の「祝福」展の一環で摘み草料理の食事会がありました。
 
桜湯からはじまって、胡麻豆腐、土筆にたんぽぽの葉と蓬餅が入った白味噌の椀。竹籠の盛り込みには、野あざみのたき物、土筆の白和え、さまざまな菜っ葉のおひたし、ウドとえのきの八方酢、のびるとのかんぞうの酢味噌添え、たんぽぽと人参のきんぴらに葛の花のシロップ漬け、瓢箪をあしらっただし巻き卵。
 
野の草が、こんなにおいしくいただけるとは。ちょうど食事会の前に、事務所の庭いじりをしていたわたしは、とうとう芽吹き始めた蓬たちに、「にっくき蓬!」という気持ちをメラメラと燃やしていたところ(食べるのは大好きだけど、楽しいおいしいを凌駕する生命力…)。反省。
 
さらに、ふきのとうの花をわずか散らして湯葉を添えたお粥。ほんのひとふりだけれど、ふきのとうの存在感はしっかり。「花が咲いて茎が伸びてしまっても、おいしくいただけますよ」 と、お食事をつくってくださった摘草料理と菓子の橋本美朝さん。そうでしたか。
  
そして最後にいただいた、こちらもお手製の桜餅の葉のみずみずしいこと。何個でもいただきたい。何個でもいただきたい! なにより添えてあった、やはり橋下さん手づからのふきのとうの飴菓子のおいしいこと!! 口に広がる自然の甘みとふきのとうのほろ苦み。大きさはちょうど金平糖くらい。小さな磁器の壺いっぱいにほしい美味しさと佇まいです。
 
軽んじることなかれ、庭の草たち。
 
合わせていただいたビオワイン「おやすみなさい」も、お隣の方に味見させていただいた酵母無添加の日本酒「仏法僧」も、洗練されながらも芯のある確かな味わい。春の芽吹きによく合いました。
 
祝福展は、陶磁の浜野まゆみさんと、木工の紀平佳丈さんの器の展示。4月1日まで。夏至さんが近くにあってよかったなあ。(緒)