工場の用の美


 
年に一度発行される「工芸の五月」の取材で松本へ。「建築家とめぐる城下町」という連載の取材で、実際に工芸の五月の開催期間中に行っているまちあるきの誌面版です。取材でも建築士の先生と歩くもので、来年でもう7回目。
 
今年は建築士の藤松さんと山田さん、それから都市計画家の倉沢さん、工芸の五月実行委員会のお三方、合計4人でのまちあるき。
 
テーマは「近代編」。製糸の片倉や、バンカラの松高、民藝を率いたキーマンたちの足跡などをめぐります。写真は松本民芸家具で知られる中央民芸の曲木の工場(こうば)。小さな部屋ですが、薪をくべて暖めている風景が格好いい。生まれくる家具も用の美を体現するものだけれど、目指す形をつくるために無駄なくつくられた工場の設備たちも、用の美といっていいのではないかと思う。美しい。
 
この取材、毎年とてもとても楽しいのだけれど、ついつい原稿を書くのを後に送ってしまう。今年こそは年内を目標にがんばるんだ。(緒)