宴会で、『信濃の国』を歌う

昨年の秋から、ご縁があって長野朝日放送さんの番組審議員を仰せつかっています。毎月1回、指定された番組を観て、その感想を審議会でお伝えするというもの。ものをつくる側ではありますが、テレビの世界は未知。かなりの不安を覚えつつでしたが、この仕事が非常な緊張感にあふれながらも、とても楽しいのです。
 
どのあたりが緊張感にあふれるのか。
社長さんから役員さんなど会社のみなさん10人くらいでしょうか、豪華な会議室に一直線に並んでいる前で、これまた錚々たる審議員さんの横で、自分の意見を話すということ。ちんちくりんな気持ちです。
 
一方、どのあたりが楽しいか。
まずは、観る番組をあてがわれるので、普段自分なら観ない番組もあること。そして、いろいろな立場、世代の審議員さんがいらっしゃるので、同じ番組に対して同様の意見もあれば、逆のこともあり、はたまた全然違う視点があったりすること。かつ、信州大学の遠藤守信先生を筆頭に本当にその道を突き詰めた方ばかりで、一つひとつのお話が興味深いこと。
日常生活で、ひとつのテレビ番組をみて、大人同士が真剣に意見を言い合うなんてそうないと思うんです。そういう見方があるのかと、勉強させてもらっています。
 
審議員のみなさんがひと通りお話したあとは、番組のプロデューサーの方が質問に答えてくださったり、制作の経緯をお話してくださったりします。これもまた面白い。
 
今回の番組は、池上彰さんが司会を務められた『池上彰のそうだったのか!「信濃の国」』。信濃の国はもちろん、歌を通じて長野のことをさまざまな角度から知ることができるとても興味深い番組でした。
プロデューサーは酒井さんという男性で、「お蚕さんのところは長いと言われても絶対に伝えたかった」「音楽性についてももっと伝えたかったけれど、情報が十分ではなかった」「今なら自分が(登場した)研究家や学芸員の次に信濃の国について詳しい!」などなど、制作する人の熱、ものをつくることの楽しさがひしひしと伝わってきました。
 
その後、みなさんで出かけた新年会の閉会時は、せっかくなので全員起立して「信濃の国」を合唱!なんと変調する4番を歌える人もいてびっくり。「4番が終わってからの5番の入りがいいんですよ!」と力説されている人も。信州人だなあ。
宴会で信濃の国を歌ったのは初めてですが、なかなかよいものですね。わたしは2番までなら空で歌えます。(緒)