神王窯 塙さんの工房へ


 
3ヵ月おきに展示の入れ替えをしているホテルメトロポリタン長野2階の展示エリア。トドロキデザインの轟さんからお話をいただいて、一緒に展示を担当させていただいてもう数年が経ちます。12月からの3ヵ月のテーマは「神」(ちなみに11月までは「島崎藤村」)。テーマにちなんで工芸作品と、日本酒と、ワインを選ぶのですが、工芸作品は「神王窯」の名前を持つ、塙幸次郎さん(長野市信州新町)の作品を展示することになっています。
 
展示作品をお預かりするために出かけた工房。「お昼ご飯ご用意するから!」という奥さまのご提案に、お昼ちょうどに着くようにうかがいました。到着すると、庭のハーブで入れてくださったハーブティーでまずは一服。お庭からは北アルプスと新町の里山を望みます。32畳のリビングにはところ狭しと塙さんの焼締が並び、その合間を縫うように、各所に椅子やソファ、テーブルが。「そのときの気分でいろいろなところに座ってお茶を飲んだり、お酒を飲んだりね」と奥さま。アメリカのご友人の暮らしがヒントなんだとか。その空間の使い方はとてもすてきだなあと、我が事務所にも取り入れるべくメモメモ。そのあとも大変すてきなおもてなし。食事がおいしいことはもとより、なにより食卓にならぶ器としつらえがすばらしい。
 
展示用に無事20数点を選んだ頃には、もう4時間以上がすぎていました…。なんて居心地の良い空間とご夫婦なのか。途中工房を訪ねて来られたお客様(80歳を超えるというのに新町のものすごい山道をかぼちゃを届けるために車でやってきたとか!)ともご一緒しながらのランチは、とても休まる時間でした。
 
展示は12月から来年の2月いっぱいまで。長野駅にお寄りの際は、連結しているメトロポリタン長野2階にも足を伸ばしてみてください。(緒)