ちいさなおむすび


 
夜、お米は食べないようにしています。正確には夜、お米は飲むようにしていると言いますか。ただ、このところ秋深まるせいか、お米が恋しい。
10年くらい前、10代で一人暮らしを始めたときに両親が買ってくれた炊飯器が壊れ、買い替えのために訪れた家電店で炊飯器というものの高さに驚いて以来、土鍋派です。東御市のくるみ農家で米農家で、養豚農家などなど多岐にわたって取り組む知人の関さんからお米を買ったことをきっかけに、玄米にチャレンジして1年。白米よりも少しばかり多く水につけ、炊けるまでじわじわ弱火で40分ほど(白米のときは10分くらいでした)。試行錯誤して、最近ようやく程よいおこげができて、ふっくらおいしい。食べるたびに炊くのがいいのだろうけれど、なかなかそうはいかないのでまとめ炊きをし、今日食べるもの、おむすびにするもの、おむすびで冷凍するもの、タッパーで冷凍するものと、用途を想定しながら蒸らしたお米を振り分けます。
 
ここのところのブームは焼きおむすび。
玄米ごはんにきびが多めの十六穀米を混ぜて炊き、おむすびにするときに雑魚とシソと、自家製梅干しの叩きを混ぜてむすんでグリルへ。カリッモチッの食感は、朝ごはんの目覚めに、晩酌のつまみや締めに、グッときます。正直、いくつでもいけそう。
でも夜はお米を飲むから、おむすびはごくごく小さなものを用意しておくことに。3cmくらい(3.5cmくらいかも)。いずれにせよ、かわいい。当然のことながら、新酒の声にさきがけて新米。季節はどんどん、どんどんやってくる。抜かされることなく、気づかぬことなく、堪能しないと。(緒)
 
(写真の器は東御市の阿部春弥さん)