南魚沼をみて、信越自然郷を思う②飯塚農園


 
南魚沼研修でまず出かけたのは飯塚農園。ジャガイモやアスパラ、ウドににんじん、ネギ、お米などを栽培していますが、何よりすいかの篤農家として知られる農園です。お父さん家族、長男家族、次男家族で営んでいます。
 
今回の見学のメインは雪室の貯蔵庫。ジャガイモやお米など、でんぷん質の多いものは冷温貯蔵することによって甘みが増します。雪室自体は魚沼地域では昔からの知恵。かまくら型と氷室型がつくられていたそうです。飯塚農園さんは氷室型で、(写真の)貯蔵庫の奥の壁の向こう側に雪が2、3mくらいの幅で入っているのかなあなんて想像していたわたしがあさはかでした。貯蔵庫の隣に、なんと、この貯蔵庫よりもちょっと大きいサイズの雪室があったのです。雪、ぎゅうぎゅうです。冬に随時雪を入れて、次の冬がはじまるまで保つそうです。保つといっても徐々に溶け、最後は氷のようになるそうですが、年間通じて7℃前後をキープ。ちなみに湿度は少しずつ減ってくるようです。こうした雪室、先人の知恵として生活を支えてきたものですが、ビジネスとして、農家で導入したのは南魚沼でははじめてのことだったそう。
 
そして雪室貯蔵したじゃがいもを試食させていただきました。なんて!なんておいしいのか!!さつまいもですと言われたら納得してしまいそうなほどの甘み。品種は「とうや」といって、もともと甘みが強い品種ではあるようですが、それでも驚きの甘さです。ちなみに、にんじんは雪室貯蔵と雪下にんじんを試食。雪室も甘みを感じましたが、雪下の方がさらに甘みが強いというかジューシーでした。価格も、若干上乗せして売ることができるそう。
 
今年は極端に雪が少ないですが、信越自然郷では2m以上積もるのが通常。そんな豪雪には難儀しますが、雪があるからこその仕事や恵み、催しなどがあるのも事実。弱みを強みに。(緒)
 
お土産に買ってきたジャガイモをふかす。甘々しっとり。